ラプロス®の特徴

ラプロス®とは

  • ラプロス®ラプロス®
  • 猫に飲ませやすい
    小さな錠剤(直径6.0mm)

猫の慢性腎臓病(CKD)では、長期間にわたり腎臓の内部に虚血※1や低酸素状態、炎症が起こることで、尿細管の間にある組織(尿細管間質)が破壊され、その隙間を埋めるために硬い別の組織に置き換わっていきます。このことを線維化といいます。腎臓の内部が広く線維化すると腎臓は硬く小さくなり、働きが失われていきます。一度失われた組織と働きは元に戻りません。そのため、なるべく早い段階から、病気の進行を抑える治療が必要です。

ラプロス®は、ベラプロストナトリウム(BPS)を有効成分とする経口プロスタサイクリン(PGI2)製剤です。以下の4つの薬理作用によって腎臓の虚血と低酸素状態を改善させると考えられており、猫CKDの腎機能の低下を抑制し臨床症状を改善させます。

  • 血管内皮細胞の障害※2を防ぐ(血管内皮保護)
  • 血管を拡張させる(血管拡張)
  • 炎症を防ぐ(炎症性サイトカイン産生抑制)
  • 血栓を防ぐ(抗血小板)
  1. ※1虚血は臓器の内部に十分な血液が行かなくなることを指します。
  2. ※2血管内皮細胞は全身の血管壁を内張りする細胞を指します。血管の機能を維持して、
    臓器の健康を保つ働きがあります。CKDでは血管内皮細胞が障害されています。
  • 健康な血管
  • CKDでは

※静脈血管を示しています

有効成分BPSについて

BPSは腎臓病モデル(ラット)で以下のような効果が報告されています。

正常な腎臓 正常ラット BPSを投与した場合:腎炎誘発モデル(ラット/BPSで治療)毛細血管網の減少が抑えられ、血流が保たれる BPSを投与しなかった場合:腎炎誘発モデル(ラット/未治療)毛細血管網が減少し、血流が悪化する

Reprinted from Prostaglandins & Other Lipid Mediators 112, Yasufumi Goto, Shinichi Yamaguchi, Mitsutaka Tamura, Hidenori Mochizuki, Hajimu Kurumatani, Kiyoshi Okano, Mitsuko Miyamoto,
A prostacyclin analog prevents the regression of renal microvascular network by
inhibiting mitochondria-dependent apoptosis in the kidney of rat progressive glomerulonephritis, 16-26., Copyright (2014 Aug), with permission from Elsevier.

  • 腎炎誘発モデル

    慢性腎臓病では腎臓内の血管が障害されています。
    そして腎血流量が減少しています。

  • BPS投与

    BPSは腎臓内の血管の構造・機能を維持し、
    腎血流量を増加させて低酸素状態を改善します。