03安全性、薬効動態、安全性Safety, pharmacokinetics, stability

安全性

猫での安全性試験

  1. (1)対象動物安全性試験
    5力月齢の雌雄各3頭の猫にインターキャット®5、10、20MU/kg/日を隔日5回、静脈内投与したところ、各群1または2例で投与後の採食から2〜4時間にかけて単発の嘔吐、および軽度な発育遅滞が認められました。血液学検査所見では白血球数および血小板数の減少、血液化学検査所見ではAST、ALT活性の上昇等がみられましたが、いずれも一過性の変化であり、安全性に問題はないものと考えられました3)

犬での安全性試験

  1. (1)対象動物安全性試験
    6力月齢の雌雄各3頭のビーグル犬にインターキャット®1、5、25MU/kg/日を連日5回、静脈内投与したところ、投与後3時間目をピークとした0.8°C以内の軽微な体温上昇がみられました。また、投与期間中、血小板数の減少傾向(有意差なし) が認められましたが、投与終了後には回復しました。
    さらに、37〜39日齢のビーグル犬3頭にインターキャット®1、2.5、5MU/kg/日を連日5回、静脈内投与したところ、一般状態および体重においては異常は認められず、血液学検査所見、血液化学検査所見および尿検査所見においても投与に起因すると考えられる変動は認められませんでした。
  2. (2)抗体産生試験
    ビーグル犬6頭にインターキャット®1MU/kg/日を隔日15回、静脈内投与したところ、投与開始4週間後、6頭中5頭に中和抗体の産生が認められました。中和抗体の産生があった個体に対し再投与を行いましたが、アナフィラキシーショック等の変化は認められませんでした。また、ビーグル犬雌雄各3頭にインターキャット®1、5、25MU/kg/日を連日5回、静脈内投与したところ、投与開始4週間後に25MU/kg投与群の6頭中1頭において微弱な中和抗体の産生が認められました。

薬物動態

1. 猫での血清中濃度

猫3頭にインターキャット® 5MU/kgを静脈内投与したところ、投与2分後に血清中濃度は5.4×104±1.4×104U/mLとなり、以後二相性の指数関数的減少を示しました。半減期は初期相5.0±0.5分、後半相31±5分でした1)

静脈内投与後の血清中レベル(猫)

2. 犬での血清中濃度

ビーグル犬3頭にインターキャット® 5MU/kgを静脈内投与したところ、投与5分後の血清中濃度は4.0×104±8×103U/mL、投与2時間後には150±20U/mLに減少し、投与4時間後には検出限界以下となりました。分布相である初期相の半減期は3.1±0.1分、代謝・排泄相である後期相の半減期は15.0±0.6分でした。

静脈内投与後の血清中レベル(犬)

安定性

インターキャット®は、室温(8〜30°C)で3年間は品質を保ったまま安定に保存可能です(溶解後は4°Cで3週間、19.5°C〜21.5°Cで7日間安定)。

参考文献

  1. Ueda Y, Sakurai T, Kasama K, Satoh Y, Atsumi K, Hanawa S, Uchino T, Yanai A. Pharmacokinetic Properties of Recombinant Feline lnterferon and Its Stimulatory Effect on 2ʼ,5ʼ-Oligoadenylate Synthetase Activity in the Cat. The Journal of Veterinary Medical Science. 1993; 55(1): 1-6.
  2. Tateyama S, Priosoeryanto BP, Yamaguchi R, Uchida K. In vitro growth inhibition activities of recombinant feline interferon on all lines derived from canine tumours. Research in Veterinary Science. 1995; 59: 275-277.
  3. 小田憲司,西田由美,芳賀知也子,赤木博,福田苗美,及川敦子.遺伝子組換えネコインターフェロン製剤の安全性試験.第113回日本獣医学会講演要旨集.1992;89.