猫の慢性腎臓病
(CKD)の診断

猫の慢性腎臓病(CKD)の検査

猫の慢性腎臓病(CKD)は「腎臓の構造や機能の異常が少なくとも3ヵ月以上安定して存在している状態」と定義されていますので、一般に身体検査、血液検査、尿検査、および画像検査(レントゲンや超音波検査)を少なくとも1カ月間ごと2回以上行い、その結果を総合的にみて診断します。腎臓の機能を調べるという点では、血清クレアチニン値/血清SDMA値と尿比重の測定が役立ちます※。

血清クレアチニン値/血清SDMA値は腎機能マーカーと呼ばれます。それらの上昇は腎機能の低下を示しています。一方、尿比重は腎臓の尿の濃縮力を示していて、CKDでは低下します。

猫のCKDのステージ

猫のCKDは一般に国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)の提唱する基準に従い、血清クレアチニン値/血清SDMA値を用いて表1の通り4つのステージに分けられます。さらに尿中タンパク質濃度(尿タンパククレアチニン比;UPC)と血圧の状態を加えて細かく分類されます。ステージを分類あるいは細分類する目的は、治療内容や予後(ステージの進行速度や残された寿命)が、その段階により大きく異なるからです。

表1. CKDのステージとその特徴(IRIS2019年改訂版)

ステージ 血清
クレアチニン値
(mg/dl)
血清
SDMA値
(μg/dl)
ステージの説明
第Ⅰ期
(初期)
<1.6 >18 (非窒素血症):正常な血清クレアチニン値と軽度な血清SDMA値の上昇。不適切な尿濃縮(早朝尿比重<1.035)、腎臓表面の凹凸や構造の異常、タンパク尿(UPC)の異常などが存在している場合もある。
第Ⅱ期
(中期)
1.6~2.8 18~25 (軽度な窒素血症):血清クレアチニン値および血清SDMA値は軽度に上昇。臨床症状は一般に軽度あるいは欠如。
第Ⅲ期
(後期)
2.9~5.0 26~38 (中程度な窒素血症):さまざまな臨床症状がさまざまな程度で存在している。
第Ⅳ期
(末期)
>5.0 >38 (重度な窒素血症):重度な臨床症状が多数存在している。

窒素血症:血清クレアチニン値が上昇した状態
猫が痩せている場合は血清クレアチニン値より血清SDMA値によりステージを分類した方が正確。